夏バテ(夏やせ、倦怠感、疲労、食欲不振、消化不良、下痢など)は、古典では注夏病(ちゅうかびょう)と呼ばれていました。 「元気がなくなり体が火照って熱いのは、暑気によって身体が傷を負うからだ」と記録が残されています。
さて、近頃の猛暑で体調を崩されている方も多いのでは。漢方には夏バテを治してくれる頼もしい処方があります。
*清暑益気湯
夏バテに対する代表的な漢方薬です。熱を冷まし、胃腸の機能を高め、倦怠感や食欲不振を改善してくれます。
*補中益気湯
体力が低下している方で、夏の暑さに負け、安静にしていてもなかなか疲れが抜けない場合に特に効果が期待できます。倦怠感があり、食欲がわかない方に適しています。
*五苓散
体の中の水分の偏在を是正してくれる、いわゆる利水剤の代表薬です。のどが渇き、尿量が減少している場合の下痢、吐き気、頭痛などに特に効果があります。
*六君子湯
胃腸が弱く、夏になると食欲が低下し疲れやすい場合に効果が期待できます。夏バテしているのに、エアコンの下では手足が冷えてしまい困っている方はいらっしゃいませんか。そんな症状を治してくれるお薬です。
夏バテの代表薬を4つご紹介いたしましたが、まだこのほかにも選択肢はあります。漢方は同じ症状でも、患者様の体質によって薬の内容が変わってきます。しっかりお話を伺って、お一人お一人に合った漢方の処方を心がけています。お気軽にご相談ください。
武川病院
加藤 淳也