医療法人武川会 武川病院
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中巨摩郡昭和町の 外科,消化器科,肛門科,整形外科,内科 武川病院

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気象病と漢方について(令和6年10月30日)

 

1.気象病って何でしょう?

 季節の変わり目に体調が悪くなる方はいらっしゃいませんか。梅雨時や夏から冬に至るまでの気温や天候の急激な変化に伴い、頭痛や頭重感、疲れ、だるさ、首や肩のこり、腰痛、めまいや吐き気、耳鳴り、イライラや気分の落ち込み、不眠、むくみなどの不快な症状をお感じになる方は、結構多いようです。

気象病とは、天候の変化が原因で心身に生じる様々な不調の総称です。

 

2.気象病の原因

 気象病が発症するメカニズムはまだ十分わかっていません。ただし、以下に示すような要因が関連して自律神経の失調をきたすことが主な要因と考えられています。


 *気圧・・・人の体は、体の内側と外側で圧力のバランスをとるように、自律神経が調節しています。
ところが、急激に気圧が下がると、その調節が追い付かず、乱れが生じます。
その際、血管が必要以上に拡張してしまい、器官や神経に悪影響を及ぼすことがあります。
それが、不快な症状となって現れます。

 *気温・・・朝晩や日ごとの急激な気温の変化は、やはり自律神経の調節に不調をきたします。
その結果、疲れやだるさを感じやすくなります。

 *湿度・・・湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、うつ熱や局所の冷えが生じます。
その結果、不快な症状を引き起こします。

 

3.気象病と漢方

 一般的な薬剤は、一つの症状に一つのくすりで対処することが普通ですので、気象病の様々な症状を治療しようとすると、薬剤数も増えてしまいます。
 漢方の良い点は、複数の症状を一つの処方で解決できる場合が多いことです。
気象病に使われる漢方薬をご紹介します。

 五苓散・・・体内の水分のバランスを調整することで、気象病によるめまいやふらつき、頭痛や頭重感を治してくれます。

 *酸棗仁湯・・・自律神経の乱れによって、心身が疲れているのに神経が過敏になって眠られない、熟睡感がない、夜中に目覚めて再び眠られないなどの症状に効果が期待できます。

 *苓桂朮甘湯・・・体内の水の巡りを改善することで、頭痛、めまい、吐き気、耳鳴り、むくみなどを改善してくれます。

 *半夏白朮天麻湯・・・低下した胃腸機能を高め、めまいや頭痛・頭重を改善する効果があります。

 *補中益気湯・・・倦怠感、疲れ、手足のだるさを改善します。風邪などの感染症で低下した体力をもとに戻す作用もあります。



<追記>前回のコラムでは、夏バテの漢方をご紹介しました。服薬された方々からは、びっくりするほど体が楽になった。元気に働けるようになった、とのお声を頂戴しました。


 


                   
 

武川病院 

加藤 淳也